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多様性を尊重する「ダイバーシティ」
最近では「ダイバーシティ」という考え方が注目されています。女性を始め高齢者、障がい者など、身体的、内面的特徴が違う人を受け入れる社会作りが必要とされているからです。今回はダイバーシティとは何か、ダイバーシティを進める価値について紹介します。
「ダイバーシティ」とは
「ダイバーシティ」は「Diversity&Inclusion」を省略した言葉で、要約すると「多様性を受容する」という意味を持っています。ある国のある都市には、人種や性別、年齢、身体的な特徴により外見の違いがある人々が住んでいます。また背景になる文化や宗教、趣味趣向など、内面も人それぞれです。ダイバーシティとは、これらの違いを認めて受け入れられる社会作りをしようという考え方や方針のことを指します。
日本の場合は、男女の性差や置かれている環境を改善するための考え方としてダイバーシティが注目されています。会社の職場内で言えば、男性社員も女性社員も、既婚者も未婚者も、子育て中の女性もそうでない人も、お互いの違いを認めて受け入れることの大切さを説いています。
ダイバーシティを進めることの価値
世界的に女性の社会進出を認める傾向が高まり、企業の幹部に女性が登用されるなどダイバーシティの考えが実践され始めています。日本ではこれまで、女性は結婚をすれば寿退社が当たり前という考えを企業の経営者を中心に根強く持っていました。男性が社会に出て仕事をしてお金を稼ぐ、女性は家事と育児で家庭を守るのが日本の伝統的な文化だったからです。
そもそも経営者は企業の利益が上がればそれで良く「多様性の受容」という価値観に気づいてもいなかったと言えるでしょう。男性中心のワークスタイルが当たり前だった職場にダイバーシティを進めることで、徐々に企業の経営者や従業員の価値観が変化していくことが期待できます。
少子高齢化の中でダイバーシティに期待
男性中心のワークスタイルでも日本は世界有数の経済的に豊かな国でいられました。しかし日本の根源的な問題になっている「少子高齢化」が進み、若い男性労働者の数が徐々に少なくなっています。優秀な人材は企業の需要に追い付かず、今後日本の経済力の低下が見込まれています。そこでこれまで企業の中核として働くことが少なかった女性や高齢者を登用し、労働力の低下を防ごうという動きが出ています。
また成熟した日本の社会では、たくさん作れば売れるという大量生産、大量消費型の社会が減衰し、今後はどのような商品やサービスを売れば受け入れられるのか手探りの状態に入っています。先が不透明な時代に必要なサービスを生み出すためには、これまでの男性中心のチームでは難しく、女性や高齢者、外国国籍者が参加する多様性のあるチーム作りが必要になるかもしれません。変化に対応するためには、様々な価値観を持つ人の知恵が必要です。ダイバーシティを進めることで、少子高齢化の先の見えにくい世の中でも価値のある何かをみつけることができるかもしれません。